グラントリノ ( Grand Trino )


率直に良かったです。いい映画でした。
相変わらず前知識無しで行ったのですが、クリント・イーストウッド監督作品を観たのは、「 ミリオンダラー・ベイビー 」「 父親たちの星条旗 」「 硫黄島からの手紙 」「 チェンジリング 」に続いて5作目。最近の映画が多いので偉そうには言えませんが、私がリアルタイムで観ていた頃の「 ダーティハリー 」シリーズのようなバイオレンスアクションとは全く異なり、監督としての作品は、全体的に暗い感じで心が重たくなる映画が多いように思います。昨日観た「 グラントリノ 」は現代社会に対する問題提起も含みながらも、“ 頑固一徹オヤジ ” に妙な懐かしさを感じながらほのぼのとして、今までにない作品感がありました。でも最後には監督らしいテイストでまとめられていました。
この映画を観て、( 私が観た )イーストウッド監督作品で共通したものがあるように思いました。それは、「 生と死 」。特に「 死ぬ 」ということに対しての表現方法であったり、その意味であったり、また死を通して「 生きている 」ことを考える。そんな監督のメッセージを個人的に感じました。本作品で、俳優としては最後の姿となるようですが、そんなメッセージを監督としてだけではなく、自身で伝えたかったのでしょうか。そういった意味では、俳優クリント・イーストウッドの集大成と言える作品かも知れません。